今年、娘が12歳になる。
もしかしたら、この子と一緒に暮らせるのは、あと6年かもしれない。
18歳になったなら、親元を離れて一人暮らしをする子供たちも多い。
6年といったら、この子が産まれてから今日までの月日の、半分しかない。
6年といったら、コロナの頃、今住んでいる家に引っ越してきて、
この家で暮らした日々と同じくらいしかない。
なんと短いんだろう。
幼い頃は、毎日、早く大きくならないかな、と考えてばかりいたというのに。
早く自分のことは自分でしてくれないかな、
トイレくらいゆっくり行かせてくれないかな、って思っていたのに。
毎日毎日が大変すぎて、育児はつらい、私には育児はむいてなかった、
もっといい母親だったらよかった、と思いながら過ごしていたのに。
今日までの日々、たくさんの景色を見せてくれた。
娘は、公園に行っても、遊具にすぐに駆け寄っていくような子ではなかった。
遠くから遊具や周りの子供達を観察して、ジリジリ近づいていく背中。
本を読んでいると、何も聞こえなくなるほど集中したり、
おにぎりをにぎったら、作るだけ全部、次々と頬ばっていく膨らんだ頬。
いつの間にか、自分の意思で中学受験をしたいと塾に通い始めた娘。
そんな娘に、中学受験が終わったら、どこかに遊びに行こう!と誘えば、私はてっきり、ディズニーランドかな、USJかな?と思ったが、全然違った。
娘はしばし考えてから、「太宰府」。
太宰府??
面食らう私に、「太宰府は、はずせない」と畳みかけてくる。
小2だった娘の好きな本ナンバーワンが、「巌窟王(がんくつおう)」の復讐劇だったから、
私は、内心、大丈夫なんだろうかと心配し、
弟がどんな本から読んだらいいかと聞いてきた時に、私と夫は「オオカミ王ロボ」とか「ガリバー旅行記」とかを勧めたら、「そんなのより、もっと読みやすい本からじゃない?たとえば、古事記とか。」と真顔でアドバイスする娘。
そんな若干マニアックな文学少女は、アニメ「夏目友人帳」も好きだし、
「葬送のフリーレン」や「魔いりました入間くん」などの漫画も大好き。
イライラした思春期に隠れていて気づくのが遅くなったけど実はなかなか面白い、我が娘よ。
変顔も面白過ぎて、話が入ってこなくなるから、やめてほしいような、ほしくないような。
いつの間にか、私が落ち込んでいると、さりげなく励ましてくれたり、
私が髪を短く切りすぎたと言えば、
「ピアスがよく見えるようになって似合うよ」なんて言葉も、さらりと言うようになった。
6年生の宿泊行事では、夜遅くまで友達5人と喋っていたら、そのまま寝てしまい、2組の布団で5人がぎゅうぎゅうになって朝を迎えた話を聞いて、私は胸がきゅんとした。
一緒に暮らせる日々というのは、短い。
いつか、あの子は、ここから飛び出していくのだろう。
あの子がちゃんと、「私ならできる」って信じられるように。
私は、今日も、娘をそっと見つめていようと思う。

